陳旧性の脱臼
2008年12月16日 陳旧性の脱臼

社団法人 全国柔道整復学校協会 教科書委員会 編集 柔道整復理学(理論編)改定第4版によれば
「陳旧性脱臼とは明確な区別はないが、一般的に周囲軟部組織の修復に必要な約3週間以上経過したものを言う」となっています。
脱臼した関節にもよりますが指などは2週間でもかなり整復が困難となります。
筆者の経験では指で10日以上経過していると極端に脱臼整復の成功率が下がります。
また、整復が成功しても「ぷにょ」って感じで元の位置に戻ってしまい整復位を保てないことを何度か経験しています。
放置されることは極めて少ないのですが、受傷後なるべく早期に整復されることが望ましいのは言うまでもありません。
そんな中とある医療機関からの依頼で受傷から2週間経過して、その医療機関で2回整復して出来ないものを、そのまま固定しさらに2日経過したものを整復する期会を得ました。
個人情報ですので元のレントゲンを加工して、事実を元にしたフィクションとして症例報告をしてみます。したがって年齢、性別その他は事実と異なることはお断りしておきます。
46歳男性 犬の散歩中リードを強く引かれ電柱に右小指DIP関節伸展位で強くぶつけ受傷。その場で強く腫れたがそのまま放置。2週間経過してもいたみも腫れも引かないために、近医を受診。レントゲン検査にてDIP関節脱臼図1.2と診断されすぐに整復固定を試みられた。図3