固定について
2009年01月13日 固定について
整復しないで固定しようとして、私がなぜ止めたかです。
1.シーネをシャツごと包帯で巻いていた。
2.掌側のシーネがMP関節をはるかに越えていた。
3.両側肘関節を含む固定をしていた。
以上が主な理由です。
1.については担当者は「患者さんが着ていたシャツを切ろうとしたら、何か理由があって拒まれた」と言っていました。私も「こちらの都合で切ることばかり考えるな、中には切って欲しくないものあるはずだから」と発言しています。しかし、それはシャツを脱がせて着れない時の話で「シャツを着せたままシーネ類を巻いてその袖を包帯で巻き込むなんて・・・」検査着やタオルを巻いて帰す(当日はご家族に車で送られてきている)等いくらでも方法はありました。
私はあえて細心の注意を払いながらシャツをシーネとともに包帯で巻きました。
患者さんには大変申し訳ありませんが、若い二人が今後このようなミスを犯さないためにも、明日大変な苦労をしても手取り足取り指導しようと・・・当然夜緊急時などは携帯で連絡取れるようにして。
2.は片手で一日だけであれば「シーネあわせられないんだなー」とダメだしするだけですが。両手となるとそうは行けません。なぜなら小学校高学年と言う一番多感な年頃の男子が自分で排尿の準備が出来ないからです。多くは語りませんがこれほどつらいことはないと思います。
病院研修時代入院病棟をはじめてみた時「なんてトイレが広いんだ」と思いました。それは下肢の外傷で膝を屈曲できないでもトイレに入れるようにと聞きました。また院長先生が患者さんの自宅で排便、排尿が自分で出来ない場合もそれだけで入院の対象となる場合もあるんだと指導されたことがあります。
3.はこの症例ではどちらほぼ同じ程度で骨折していて、再転位の心配もあるので仕方ないかもしれませんが、一般的には「再転位の心配のないほう」を前腕からの固定にする事が多いようです。