八王子の太陽
2009年03月26日 八王子の太陽
富山、長野でのトンネル工事とは比較にならない簡単(でも油断は大敵)な現場での話です。
「親方!このトンネル内の寒さでは若い衆みんな凍えて死んでしまいますよ!!」
まわりはその声に凍りついた。「兄貴、そんなに寒くないですよ。それにこの作業で防寒腹なんか着たら作業にならないですよ」
「おまえ等凍傷の怖さを知らないんだ。下手をしたら死ぬんだぞ。親方一刻も早く防寒服を買って下さい。防寒服も着ないで作業するなんてナンセンスだ!」
親方は静かに「よし、オレは今忙しくてなかなか手配する時間が取れない。そして俺自身必要性は感じないが、おまえがそこまで(死ぬ)言うなら銭金は関係ない、すぐに必要なものを選定して手配しろそして請求書を俺に回せ。いいか決裁は必要ないぞ。今すぐだ!!」
「親方ありがとうございました。すぐ手配します。これで安全に作業できます」
1週間して親方が現場に行くとまだ防寒服を着ていません。
「おまえ防寒服はどうした?」
「はい。見積もりとっています。やはりネットが一番安いですよ。手配していいですか?」
「まだ手配していないのか?おまえ、死ぬの死なないのって話だからすぐ手配しろってことだったのにどういうことだ?本当に後輩の若い衆を心配していたのか?」
・・・・そしてその結末は誰も知らない・・・・・